こんにちは。
ももんぐゎです。
すいません、しばらく勇者出てこないかもしれません(--;
オリジナルの世界にドラクエ歴代勇者達が集まるお話です。
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トビー トフタ村の衛兵 21歳
ルドルフ トフタ村の衛兵 63歳
勇者の冒険 SIDE ロト -第一話-
トフタ村の一番南にある、兵士の詰め所。
ここにはお城から派遣された衛兵が2人、暮らしている。
木で出来た、小さな塔のような見張り台だ。
ここから北に進むと、ダカルリア城下町があり、その先にダカルリア城がある。
逆に、南に行くと、村が二つあり、さらに進むと、女神像を祭った洞窟が、かつてあった。
しかし今洞窟には、しっぽの生えた数多くの魔物が進行し、洞窟を管理していた巫女のいた村も、壊滅してしまっている。
ダカルリアの討伐隊が一度向かったが成果はあがらず、逆に兵士たちの被害が大きくなってしまい、撤退している。
それ以降、魔物たちは、洞窟から離れるわけでもなく、不気味な沈黙を守っている。
ダカルリアも様子を見ている状況だ。
「ルドルフさん、お茶が沸きましたよ」
トビーは、先輩である、ルドルフに声を掛けた。
ルドルフは、ここで30年も衛兵を勤めている、大先輩だ。
はしごの下から声を掛ける。
返事は無い。
聞こえなかったのかな、とトビーははしごを登る。
「ルドルフさん、」
「静かに!」
ルドルフは、いつになく真剣な表情で、街道の先を凝視している。
その、ただならぬ気配にトビーは息を呑む。
隣に行くと、ルドルフの見ている物を見ようと、のぞき窓から視線をのばし、ルドルフの視線の先を凝視する。
夜空にかすかに、黒い筋が見える。
「テンの村の方向ですね」
「うむ。たんなる火事なら良いのだが…」
「あっ。もう一筋煙が上がりました!」
「…誰か来るな」
その言葉に街道を見ると、なるほど、馬が一頭木々の間を見え隠れして、こちらに近づいてくる。
トビーはあわてて立てかけてあった槍を掴むと、はしごに飛びついた。
「行って来ます!」
村の入り口までその馬は掛け込むと、「ヒヒーン」と大きくいななき、トビーの前で背中の男ごと倒れこんだ。
「大丈夫ですか!」
トビーが掛け寄ると、投げ出された男も、馬も、火傷と傷で血だらけだ。
「今すぐ手当てを」
それを男は手で制す。
ぜぇぜぇと、荒い息を吐くと、かすれた声で、
「魔物が…村を襲った。こ、こっちに向かってきてる…早くにげ…にげるんだ」
それだけ言うと大きく一回息を吸い込み、そのまま息絶えた。
「……!?」
「トビー!しっかりしろ!」
いつのまにかルドルフが、トビーの後ろにきていた。
「こ、この人が、魔物が来るって」
「分かった。お前は村人に早く伝えるんだ。ここはわしにまかせろ」
「で、でも」
「早く行け!ほら、早速来たぞ!まずは二匹か!」
街道を見ると、グレムリンが2匹、こちらに向かって飛んでくる。
「村人は頼んだぞ!」
あわててすなずくと、トビーは村に向かって駆け出した。