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2024/04/29 09:03 |
勇者の冒険 SIDE ロト -第二話-
こんにちは。
ももんぐゎです。
遅くなってゴメンナサイ!
なんとパソコンが半壊状態です。
 
オリジナルの世界にドラクエ歴代勇者達が集まるお話です。
 


トビー  トフタ村の衛兵 21歳
 
勇者の冒険 SIDE ロト -第二話-

トビーはあわてて、村人に魔物の襲来を伝え、城下町への避難を指示する。
 
馬たちが騒ぎ出した事で、村人達が様子をうかがいに外に出ていたことが幸いした。
 
避難は迅速に行われそうだ。 
 
そんなに大きな村ではないので、村人の数も多くはない。
 
トビーはしんがりを勤め、村を後にする。
 
目指すはダカルリア城下町。
 
「キャーッ!!!」
 
前を急いでいた赤子連れの母親に、いつやってきたのか一匹のグレムリンが襲い掛かる。
 
トビーはあわてて走りこんで、鉄のヤリをグレムリンにつきたてる。
 
かわされた、ミス!
 
注意をそらす事には成功したが、今度はこちらが標的になったようだ。
 
「今のうちに逃げてください!後ろを見ずに走って!」
  
グレムリンはにやりと顔をゆがめ、かん高い声を立てる。
 
どうやら仲間を呼んだようだ。 
 
空から2匹…3匹と、グレムリンたちがやってくる。
 
少しでも時間を稼がないと…
 
トビーは必死にグレムリンにヤリをつきたてる。
 
ほとんどダメージを与えられず、相手の攻撃をよけるのが精一杯だ。
 
そうこうしてるうちに、どんどんグレムリンは集まってくる。
 
トビーはあせった。
 
グレムリンたちは空に飛び上がり、いっせいに火の息を吐き出した。 
 
グレムリンたちの吐いた火の息が、こちらに向かって巨大な炎となってせまり来る。
 
もうだめだ…
 
トビーの視界全体が赤く染まる。
 
思わず目をつむり…
 

 

 
が、予想した熱気が来ない。
 
… 
 
おそるおそる目を開けたトビーの前を、あざやかに染め上げた真紅のマントがひるがえる。
 
「大丈夫か」
 
トビーの視線の先に、いつの間に現れたのか、その男は立っていた。
 
ひざをついたトビーを横目で確認すると、魔物に向かって、呪文を唱える。 
 
「猛り狂う炎の精霊よ。我に力を!その怒れる炎で燃やしつくせ!ベギラマ!!」
 
その圧倒的な火力により、直撃したグレムリン達は蒸発する。
 
深みのある青い金属で出来た、見たこともない鎧、赤い角が両側から突き出たかぶとをかぶった、その男は、真紅のマントをひるがえし、すばやく動き回るモンスターたちに、的確に剣撃を加えてゆく。
 
男が繰り出す剣は、舞を見ているような優雅な一撃だが、その優雅さとは裏腹に、一度剣をくりだすと、

かならず一体の魔物の息の根を止めてゆく。
 
剣の届かない敵には、火炎呪文を唱え、苦もなく一匹、また一匹と倒していく。
 
青く輝く鎧と盾は、敵の攻撃をまったく寄せ付けない。
 
形勢不利と見たのか、グレムリンたちは、男を中心に一定の距離を保ったまま、半円を描き、いっせいに

炎を吐く。

その瞬間、男は剣を鞘に戻し居合に構え、炎が届く刹那、抜刀する。
 
「ロト流剣術…真空烈風斬。」
 
すさまじい速度で剣を振るうと同時に、真空の刃がグレムリンたちを襲う。
次の瞬間、切り刻まれたグレムリンたちが、あっという間に一匹残らずボタボタと地面に落下した。
 
はじめは固まっていたトビーも、起こった事が理解出来てくるにつれ、体が震えてくるのが止まらなくなっていた。
 
怖いわけではない。
 
あまりの感激に身が震えていたのだ。
  
誰だ、勇者が死んだなんて言ったやつは。
 
ここにいる。
 
ここに勇者がいるじゃないか。
 
トビーは、まだ戦場の真っ只中にいるにもかかわらず、この男さえいれば、なにがあっても大丈夫だ、と

いう安心感に包まれていた。

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2008/04/21 17:18 | Comments(1) | TrackBack() | 勇者の冒険

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コメント

シリーズ唯一の一人主人公・・・
今日久しぶりに読み直して抑えきれなくなってコメントしました
強くてかっこいいですね
マントひらひら~ ロト流~
・・・すいません 素敵過ぎて頭壊れてます
posted by ふくat 2008/05/27 21:40 [ コメントを修正する ]

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